Sunday, February 28, 2021

【読書日記】「ひとすじの愛」 松平みな

 オーストラリア大陸を突き抜ける列車「The Ghan」のように

まっすぐに、まっすぐに向かってゆく・・・

誰にも止められない運命の愛。


オーストラリア在住の著者・松平みな先生の
最新作「ひとすじの愛」を拝読。

松平みな先生といえば、

オーストラリアに稲作をもたらした
パイオニア・高須賀穣の生涯を描いた
「穣の一粒」が代表作。

オーストラリアに住む私たちが、
今でこそ普通にオーストラリア産のお米を
頂くことが出来るようになったその原点を教えてくれました。

そして今回も、
やはりオーストラリアと日本を繋ぐお話。

しかも、
まっすぐなまーっすぐなの物語です。

とにかく・・・
読んでいる間中感じる
透き通った空気感!

まっすぐで・・・
澄み切って・・・
強くて・・・
凛として・・・

そんなキーワードが
読みながら頭にぴょこりぴょこりと浮かんできます。

まっすぐな・・・まっすぐな・・・想い。

このまっすぐさ…美しさに
想定外に泣いた😭💕

これには自分でもびっくり(笑)!
まさかここでこんな風に泣かされるとは思わず
読み進めてましたから😆


時代を越えて、海を越えて、
世代を越えて受け継がれる愛に向かう凛とした姿。

母と娘。

父と娘。

長い時を越えて、それでも消えることなく、
胸のどこかでほのかにともし続けた
人々の愛の灯りのゆくえ💗

何度も消えようとした…
消そうと思った…
でも消せなかった…

守り続けた愛の灯り💕

世界の情勢に翻弄されようとも、
離れ離れになろうとも、
揺るぎなく続いてゆく固く結ばれた愛。

登場する人々の愛にリスペクトが込められていて、
も~~~う胸が熱くなる。

特に204ページ以降ずっと泣いてた(笑)

その愛の渦の中に
知らない間に自身も入りこんで一歩一歩進み、
旅をしている気分になりました。

人の幸せとは?
それぞれの幸せとは?

そんなことも考えさせられます。

人の幸せって人それぞれで、もちろん
一概に「こういうものだ」とは決められない。

でも自分の価値観や見ている世界が
無意識の間に狭い範囲に限られてしまっていると
人を見て「あの人は辛かっただろう」とか
「あぁ~どうにかしてあげたい」とか、
自分の価値観を通して他人の幸不幸を
勝手に決めつけてしまいがちだけど、
(そしてそれは仕方のないことだしそれで良いのだけど)
実は本人にしてみれば、
外からは見えないけれど、
そこはかとない幸せや愛や喜びがあったり・・・

これは、20年前位だったか・・・??
実は自分の父と母を見ていて
本当に実感したことがあったんですよ。
それを思い起こさせられ、
その実体験と小説のストーリーがリンクして
きゅうっっと切ない感動で胸が締め付けられました。

人びとのまっすぐな想いと
まっすぐにオーストラリア大陸を突き進む
「ザ・ガン(The Ghan)」がこれまた脳内でリンクして
やっぱりこの作品に一貫して描かれているのは
タイトル通り「ひとすじの愛」という
何があってもブレないまっすぐな凛とした想いだなぁと
想いながら読後表紙を眺めておりました。

オーストラリアに永年住んでいる大人の方には特に、
リンクするところ、共感するところ、ぐっとくる部分が
ちりばめられているんじゃないかなぁ。

海外に永年住む著者だからこそ出せる
言葉では言い表せないオーラに包まれた
唯一無二の愛物語です💓

ぜひあなたも
このまっすぐな凛とした愛を
体感してみてください😉📚



「ひとすじの愛」松平みな・著

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